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医療メディア水戸赤十字病院の今日もおだいじに

医療や病院にまつわる"ちょっと気になる耳寄り情報"を掲載していきます。
第31回は、岡野 臨床検査技師に「超音波検査ってどんな検査?」についてインタビューしました。

第31回
超音波検査ってどんな検査?
岡野 臨床検査技師

Q 超音波検査について教えください。

人の耳では聞こえない20kHz以上の高い周波数の音を「超音波」といいます。
超音波検査では、この超音波を体内に送り、臓器などから反射して返ってくる超音波を画像として映し出し、状態を評価します。
体の中の腫瘍や結石などを見つけやすい検査です。

Q 超音波検査はどのように行いますか?

調べたい部位の皮膚にゼリーを塗り、その上から「探触子(プローブ)」と呼ばれる機器を当てて検査を行います。
ゼリーを塗るのは、皮膚との間に空気が入るのを防ぎ、超音波をより正確に伝えるためです。

Q 検査の対象となる体の部位はどこですか?

当院で検査が可能な部位は、腹部、心臓、体表(乳腺・甲状腺・唾液腺・精巣・皮膚科領域・ 関節など)、および血管(頸動脈、上肢・下肢の動静脈、シャント血管)など多岐にわたります。
また、成人だけでなく小児の検査にも対応しております。

Q 1年間の検査件数はどれくらいですか?

2022年度は約9,200件でした。そのうちの約1,480件は人間ドックによる検査でした。
当院では、特に乳腺エコーと下肢静脈エコーの検査数が多い傾向にあります。

Q 超音波検査のメリットは何でしょうか?

以下のようなメリットがあげられます。

  1. 痛みがない
  2. X線と異なり放射線被曝がないため、繰り返し検査が行える
  3. 多方向から観察でき、病変部を立体的に把握できる
  4. 機械を持ち運べれば、さまざまな場所で検査ができる
  5. リアルタイムで画像の観察ができる

Q 超音波検査の欠点はありますか?

以下のような欠点があげられます。

  1. 体格や内臓の位置の違いによって差が生じる
  2. 骨や空気がある部分は、奥まで超音波が届かず観察できない
  3. 検査の精度が、担当する検査者の経験や技術に影響される

Q  ほかにも特徴はありますか?

4D超音波検査では、妊婦さんのお腹の中にいる胎児の様子をリアルタイムで確認することができ、当院の産婦人科外来でも実施しています。
3D超音波は、胎児の立体的な写真(静止画)をみることができますが、4D超音波は動画としてみることができ、胎児の動きやお顔、表情までご覧いただけます。検査は妊娠26週~30週の間に受けることが可能で、希望に応じて動画をUSBに入れてお渡しすることもできます。
なお4D超音波検査は健康保険の適応外のため、自費料金となります。

Q 超音波検査を行うにあたり、心がけていることなどありますか?

職員同士で定期的に勉強会を開催し、スタッフ一人ひとりのスキルアップを図っています。 患者さまに良質で安全な医療を提供できるよう心がけています。

Q 最後に、ひとことお願いします。

臨床検査技師は、患者さまの診断や治療に欠かせない重要な専門職です。採血や検査などで患者さまと関わる機会も多い仕事ですが、まだ「検査の人」と呼ばれることも少なくありません。
これを機に、ぜひ「臨床検査技師」という職名を知っていただけると嬉しいです。
最近は、いろいろな医療職が主人公のドラマも増えています。
いつか、臨床検査技師が主人公のドラマが放送される日が来ることを、心から楽しみにしています。

当記事は、令和5年8月4日のLuckyFM茨城放送「水戸赤十字病院の今日もおだいじに」をもとに制作しています。