臨床検査部
検体検査課
血液検査
貧血の有無や血小板数、血液細胞の異常、止血時間の短縮や延長がないかを検査する分野です。
血液は血球成分と血漿成分から成り、血球成分には赤血球・白血球・血小板があり、血漿成分には様々な蛋白質成分を含有しています。
血液は主に骨髄内で生成され、成人の血液量は体重の1/13(約7.7%;70ml/kg)程度とされています。更に、血液が寿命を迎えると体内で処理されるため、その血液量は各個人において一定に保たれています。病気を発症するとそのバランスが崩れて異常値を呈することがあります。
血小板数算定は止血時間を左右する重要な検査です。その他、止血に関与する蛋白質(凝固因子)の働きに異常がないかを判断する凝固検査を実施しています。
凝固検査では血液が固まるまでの時間の測定(凝固系)や、凝固した血液が体内で溶かされる過程において異常がないかを検査しています(線溶系)。
血液細胞の検査では、悪性リンパ腫細胞の有無や白血病細胞の有無、あるいはその前癌病変への変化(骨髄異形成症候群)があるかを顕微鏡的に異常を検出します。
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〔多項目自動血球分析装置〕
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〔血液塗抹標本〕
微生物検査
肉眼では見ることのできない『微生物(細菌やウィルス)』を検査しています。 特殊な染色液で細菌を染めて、顕微鏡で観察する『塗抹検査』、細菌を培地と呼ばれる栄養素が含まれた寒天状の物に塗布し増殖させ、それを用いて様々な検査を行う『培養・同定検査』、インフルエンザウィルスなどを専用の検査キットで短時間で判定する『迅速検査』などがあります。
主な役割
- 感染症を疑う患者検体から原因となる細菌(起炎菌)を見つけます。
- 抗菌薬の薬剤感受性試験を実施して効果的な薬剤を調べ、 適切な治療に役立てています。
- 院内感染対策チームと協力し、医療関連感染防止対策に貢献しています。
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〔アスペルギルスの顕微鏡画像〕
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〔BTB寒天培地に発育した大腸菌〕
一般検査
主に、尿・糞便・髄液・胸水・腹水などの成分を定性・定量検査したり、細胞や結晶などを分類する検査分野です。
尿検査は、腎臓疾患・尿管疾患・膀胱疾患の診断に有用な検査で、病気の診断に際して広く行なわれている臨床検査のひとつです。 尿の生成は血液が濾過され排泄される体液であるため、人体から容易に多量かつ繰り返し採取が可能です。尿検査を実施する場合の最低採尿量は12mlです(当院設定)。
糞便検査は、消化器系疾患の診断上重要な検査で、虫卵検査や潜血反応などがあります。 潜血反応とは、消化器系での出血の有無を判断します。 1日法と2日法があり、2日法は必ず2日間に分けてそれぞれ採取してください。また、採取してから提出までは冷蔵保管してください。
精液検査は、男性不妊症の診断および治療に重要な検査です。
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〔尿定性・尿沈渣検査装置〕
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〔尿沈渣〕
生化学・免疫血清検査
生化学検査室では血液(血清・血漿・全血)や尿などを主な検査材料として、検査目的に合った8種類の自動分析装置を使用して生化学・免疫血清検査を行っています。 院内で実施している検査項目は、生化学検査44項目と免疫血清検査37項目があり、生化学検査は主な項目として、肝機能・腎機能・膵機能・脂質・電解質等の項目があります。 また、免疫血清検査では感染症(肝炎ウィルス・HIVウィルス・etc)・各種腫瘍マーカー・ホルモン(甲状腺・婦人科・心疾患)等があります。
各種検査は医師の外来・入院診療における必要度に応じて、外来診療での診察前迅速結果報告や夜間・手術中の検査にも対応しています。それにより、特に外来患者さんでは時間的・経済的負担軽減はもとより、早期の診断や治療開始・治療結果確認のために役立っています。また、人間ドックや各種検診等の検査もおこなっています。その他、生化学検査室の業務として、医師の指示の下、他部署との協力で糖尿病教室での検査データの説明や自己血糖測定器(SMBG機器)の貸出管理、操作指導等の業務も行っています。
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〔生化学自動分析装置〕
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〔全自動免疫生化学統合システム〕
輸血検査
血液型検査、不規則抗体検査、交差適合試験、各種血液製剤(献血由来)・自己血の保管管理、自己血採血補助などを行っています。
血液型検査は、血液製剤の選択に最も重要なABO血液型とRhD血液型を実施しています。
不規則抗体検査は、一般的に輸血や妊娠などで免疫を受けた時に産生されるABO型以外の血液型に対する抗体の有無を検査します。この抗体が検出された患者さんには、輸血副作用を起こす可能性があるため、抗体と反応しない血液製剤(赤血球製剤)を準備しています。
交差適合試験は、患者さんと血液製剤の適合性を確認する輸血前の最終チェックとし重要な検査です。赤血球製剤に対して実施し、ABO血液型・RhD血液型・(不規則抗体保有患者さんは、抗体と反応しない血液型)をあわせます。
献血由来の輸血用血液製剤には、赤血球製剤(主に貧血の改善、出血に対する赤血球の補充)、新鮮凍結血漿(体内で出血を止める凝固因子という蛋白質の補充)、血小板製剤(血液の病気や出血などの血小板不足の補充)があります。
自己血は、患者さん自身の血液を手術に向けて採取した血液製剤です。患者さん自身に貧血傾向がない、手術まで時間的余裕があるなど諸条件が一致した場合のみ採取適応となります。 採取量は、200mlまたは400mlです。
安全に輸血を行うために、血液型検査、交差適合試験、血液製剤管理などは臨床検査技師による一元管理と24時間検査体制で実施しています。これらの輸血前検査に限らず、院内他部門の職種と連携をとり、一連の輸血療法に内在する危険因子を低減し、迅速で安全な輸血管理体制を日々目指しています。
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〔血液製剤〕
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〔血液型判定像〕
生理検査課
当課では、6名の臨床検査技師と1名の受付で下記の業務を行っています。 現在、その内4名が日本超音波医学会認定の超音波検査士(消化器領域、循環器領域、体表臓器領域)の資格を有しています。
- 心電図
- マスター運動負荷試験
- トレッドミル運動負荷試験
- ホルター心電図
- 脳波検査
- 肺機能検査
- AABR(新生児聴覚脳幹誘発反応聴力検査)
- 神経伝導検査
- 筋電図検査
- エコー検査(腹部、心臓、頚部、甲状腺、頸動脈、精巣、皮下、乳腺、四肢動静脈、他)
- エコー下穿刺
- 24時間血圧測定
- ABI(足関節上腕動脈血圧比)
- PSG(睡眠ポリグラフィー 終夜/簡易)
- 尿素呼気試験
- 直腸肛門機能検査
- 心臓カテーテル検査
- 聴力検査(標準純音聴力検査、ティンパノメトリー、耳小骨筋反射検査、標準語音聴力検査、自記オージオメーター聴力検査、耳鳴検査)
- 呼気NO検査
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生理検査室受付生理検査室受付
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超音波診断装置超音波診断装置
臨床検査部担当医一覧
- 満川 元一みつかわ げんいち
-
非常勤
専門分野
婦人科一般
出身大学(卒業年)
昭和大学(1974年)
認定医・専門医等、資格
- 日本産科婦人科学会専門医
- 日本周産期・新生児医学会母体・胎児暫定指導医
- 母体保護法指定医師
学会
- 日本産科婦人科学会
- 日本周産期・新生児医学会