日本赤十字社 水戸赤十字病院

診療科・部門

産婦人科無痛分娩

水戸赤十字病院では、
2025年12月から無痛分娩を開始しました。

地域周産期母子医療センターの医師とスタッフが、あなたの出産をサポートします

※無痛分娩に関する情報は随時公開予定です。
赤ちゃんの写真

水戸赤十字病院で無痛分娩の対象となる方(2025年12月時点)


    1. 経産婦の方
    2. 無痛分娩をご希望され、同意をいただける方
    3. 医学的リスクを認められない方
医学的リスクの例
  • 血液が固まりにくい状態がある(凝固障害)

  • 血液を固まりにくくするお薬(抗凝固薬)を使用している

  • 重症妊娠高血圧腎症など、血液が固まりにくい可能性がある

  • 麻酔薬に対するアレルギーがある

  • 感染症(皮膚感染、敗血症 など)にかかっている

  • 神経や脊椎に疾患がある

  • 糖代謝異常(糖尿病 など)がある

  • 肥満の程度が高い

  • 上記のほか、医師の判断により医学的リスクがあると考えられる場合

水戸赤十字病院で無痛分娩を行う日

水曜日に、計画分娩で行います。(事前準備のため、入院は火曜日となります)
なお、無痛分娩の実施は1週間に1枠のみとなります。ご希望いただいても対応できない場合がございますので、予めご了承ください。

よくある質問

無痛分娩とはどのようなものですか?
硬膜外麻酔
無痛分娩とは、陣痛や分娩時の痛みを和らげるための痛み止めのことや、痛みを和らげる方法を用いた分娩のことをいいます。主に「硬膜外麻酔」を用いる分娩方法です。
完全に痛みをなくすというより、「強い痛みを軽減する」ことを目的としています。
日本では「和痛分娩」「硬膜外無痛分娩」「産痛緩和法を使用した分娩」などとも呼ばれています。
無痛分娩のメリットを教えてください。
妊産婦さんの陣痛の痛みが軽減されることが無痛分娩の一番のメリットです。
心臓の病気、脳血管の病気などをお持ちの妊産婦さんでは、医学的な理由で無痛分娩が望ましい方もいらっしゃいます。
また、無痛分娩をするとお産の疲労が少なかったと話される方もいます。
無痛分娩ではどのくらい痛みが和らぎますか?
無痛分娩では、ほとんどの方は痛みが和らぎます。ただし、“無痛分娩”と呼ばれていますが、何も感じない状態ではありません。痛みをできるだけ抑えながら、妊産婦さんには子宮の収縮を感じてもらい、“息み”が必要な時に下半身に十分に力が入り息める状態であることが望ましいと考えています。
鎮痛効果には個人差があります。十分な鎮痛効果が得られない場合には、硬膜外麻酔の管を入れ替えることもあります。
硬膜外麻酔とはどのようなものですか?
硬膜外麻酔
当院の無痛分娩では、硬膜外麻酔を用いて分娩時の鎮痛を行います。硬膜外麻酔は、硬膜外腔という部位に麻酔薬を投与する方法です。硬膜外腔の近くには神経があり、これらの神経に麻酔薬が作用することで分娩の痛みを和らげます。
お産の痛み止めとして一般的な方法で、鎮痛効果が高く、妊産婦さんや赤ちゃんへの影響が少ないことが特徴です。
無痛分娩の副作用や合併症にはどのようなものがありますか?
一般的に硬膜外鎮痛による無痛分娩は安全性が⾼いと考えられていますが、頻度の高い一時的な副作用と、稀ながら重大な副作用があります。
頻度の高い(数人に一人程度)副作用として、足のしびれ体のかゆみ尿意が鈍くなる尿が出しにくくなる(尿閉)低血圧頭痛などがあります。1割以下に見られる副作用として、麻酔の管を入れる際のビリッとする痛みや、硬膜穿刺後頭痛と呼ばれる頭痛などがあります。これらの副作用は基本的には発生しても一時的なものであり、また症状は生命に影響を及ぼさないものです。

一方、稀ながら重大な副作用の代表例として、高位/全脊椎麻酔と局所麻酔中毒があります。この二つは、硬膜外腔の管が本来の目標とは違う部位(脊髄くも膜下腔、血管)に入り、そのことが認識されないままに麻酔薬を投与した場合に発生します。当院では重篤な副作用が起こることのないよう、安全な体制を整えて無痛分娩を行なっています。
なお、無痛分娩の有無に関わらず、分娩前後には頭痛や腰痛、足の痺れなどが一定の頻度で起こることが知られています。
水戸赤十字病院ではどのような安全体制をとっていますか?
当院では、厚⽣労働省が推奨する「『無痛分娩の安全な提供体制の構築に関する提⾔』に基づく⾃主点検表」にしたがい、安全な無痛分娩を提供しています。また、無痛分娩関連学会・団体連絡協議会(JALA)で認められた「無痛分娩実施施設」です。
母児の急変があった時には、院内の診療科(麻酔科、救急科、小児科など)と協力して適切な対応を行います。
無痛分娩によって、赤ちゃんや分娩にはどのような影響がありますか?
無痛分娩の硬膜外⿇酔が⾚ちゃんに悪い影響を及ぼす可能性はほとんどありません。しかし⿇酔によってお⺟さんの状態が悪くなった場合には、⾚ちゃんの状態も悪くなることがあります。お⺟さんの状態が悪くならないよう、私たちは体制を整えたうえで無痛分娩を⾏っています。
硬膜外鎮痛を受けた産婦さんの分娩はゆっくりと進むことがあります。⼦宮収縮薬の使⽤が増えたり、吸引分娩や鉗⼦分娩を使う頻度が増えたりすることが知られています。
水戸赤十字病院で無痛分娩の対象となるのは?
当院では以下の方を無痛分娩の対象としています(2026年1月現在)
  1. 経産婦の方
  2. 無痛分娩をご希望され、同意をいただける方
  3. 当院の指定する医学的リスクのない方
無痛分娩が受けられない人もいますか?
当院では肥満度の指標であるBMI(ボディ・マス・インデックス)が分娩時の段階で30以上の方は無痛分娩の対象外としています。
その他、血液の止まりにくい体質の方、背骨や神経に異常のある方、背中などに感染がある方などは硬膜外麻酔ができず無痛分娩の対象外となります。
無痛分娩は24時間いつでも受けられますか?
無痛分娩の提供の方法として2種類の方法があります。

  1. オンデマンド無痛分娩:自然に陣痛が発来した時に麻酔を開始する方法です。
  2. 計画無痛分娩:あらかじめ無痛分娩の日程を決めておき、その日に合わせて入院し分娩誘発・陣痛促進でお産を進めながら麻酔を開始する方法です。
安全面を最優先するため、当院では院内の他診療科を含めたマンパワーが十分に揃った平日日中に限り、計画無痛分娩の方法で無痛分娩を提供しています。そのため、計画無痛分娩で予定していたよりも前に陣痛発来・破水となった場合は無痛分娩の提供は行なっていません。また、分娩が長引き平日日中の分娩が見込めない場合、無痛分娩の提供を終了しています。
妊婦健診から計画無痛分娩までのスケジュールを教えてください

  • 妊婦健診の際に無痛分娩希望であることを担当の産婦人科医師にお伝えください。
  • 無痛分娩希望の方には、妊娠34週から36週ごろの間に妊婦健診とは別に産婦人科外来を受診していただき、担当の産婦人科医から説明同意書に沿って説明をさせていただきます。その後、麻酔科の外来を受診していただき、麻酔科医師からも説明をさせていただきます。
    産婦人科・麻酔科からの説明のための外来には、妊産婦さんご本人に加え、ご家族の方(夫・パートナー)の同席をお願いしています。
  • 特に経産婦さんではあらかじめ計画分娩のための日程案を提示させていただきますが、入院前に産婦人科診察を行い子宮の出口の開き具合など(子宮頸管熟化)を評価し、分娩誘発が可能な状態か判断し、無痛分娩のために入院できるか最終判断します。
    子宮頸管熟化が十分でない場合、計画分娩の日程が変更になることや無痛分娩ができないこともあります。
  • 計画分娩の予定が決まったら、無痛分娩を実施する前日から入院としています。
無痛分娩当日の過ごし方について教えてください。
当院の無痛分娩では、無痛分娩をされていない方と違う点がいくつかあります。
  • 無痛分娩に向けて食事の制限をします。分娩当日の朝食後は食事を摂らないで過ごしていただきます。お茶やスポーツ飲料などの水分は摂ることができます。
  • 硬膜外麻酔を始めたあとは、転倒を予防するために歩かず、ベッド上で過ごしていただきます。
硬膜外麻酔はどのように行いますか?
  1. 分娩誘発の当日の朝から背中の痛み止め(硬膜外麻酔)を開始します。
  2. お母さんの体の状態を観察するモニタ―(血圧計など)を装着します。
  3. ベッドに横向きに寝て、背中を丸めて、⿇酔のための処置をします。
  4. 皮膚に痛み止めの注射をしたあと、腰のあたりから硬膜外腔に細くてやわらかい管(直径1mm以下)を入れます。痛み止めの注射は少し痛みますが、その後の処置で強い痛みを感じることはありません。
  5. 硬膜外腔に入れた管から鎮痛薬の注⼊を始めます。多くの⽅は痛みが⼤幅に和らぎます。
  6. 無痛分娩中はモニタ―を付けたままの状態で、ベッド上で過ごします。
  7. 分娩の経過中には痛みが強まることがあります。必要に応じて鎮痛薬の調整を⾏います。
  8. 分娩が終わったら硬膜外麻酔鎮痛を終了します。その後の痛みは飲み薬の痛み止めで対応します。
実際の分娩誘発や硬膜外麻酔の開始のタイミングなどについては担当の産婦人科医師から説明させていただきます。
無痛分娩の人数制限はありますか?
当院の設定した日程のみ、日中の時間に限って無痛分娩を提供しています。
無痛分娩を希望される方の人数が設定よりも多い場合、希望者全員には無痛分娩の提供はできません。
無痛分娩の費用を教えてください
当院では、通常の分娩費用に加えて無痛分娩のための入院時追加費用を15万円としています。加えて、無痛分娩の説明のための外来受診(産婦人科、麻酔科)や無痛分娩用の事前の血液検査でも費用を請求させていただいています。