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医療メディア水戸赤十字病院の今日もおだいじに

医療や病院にまつわる"ちょっと気になる耳寄り情報"を掲載していきます。
第3回は、小野瀬 薬剤師に「ジェネリック医薬品」についてインタビューしました。

Q 今回のテーマのジェネリック医薬品はCMやニュースなどでよく耳にしますが、実際のところよく分かりません。

ジェネリック医薬品という言葉を聞いたことがあり、服用されている方も多いと思います。しかし、実際のところ、先生に処方され服用しているものの、ジェネリック医薬品がどういったものなのかよく分からない方も多いのではないでしょうか。ジェネリック医薬品とは、先発医薬品と同じ有効成分を使っており、品質、効き目、安全性が同等な薬です。ちなみに先発医薬品とは、新しく発見された有効成分などをもとにして開発された新薬のことです。一般的に薬は厳しい試験に合格し、厚生労働大臣の承認を受け、国の基準に基づいて製造し販売をしています。ジェネリック医薬品は先発医薬品に比べ開発費が少ないために、先発医薬品より薬の値段が安くなっています。

Q 薬の値段が安いって魅力的ですね。お薬の開発費はいくらぐらいかかっているのですか?

薬の種類によって様々ですが、先発医薬品は数百億円以上の費用をかけて開発されているといわれ、様々な研究や試験を重ねるため発売までに10年から20年はかかるといわれています。一方、ジェネリック医薬品は前もって発売されている先発医薬品と同じ有効成分を使って製造・販売するので試験の数が少なく、およそ3~4年の歳月で数億円の開発費といわれています。

Q なるほど、たからジェネリック医薬品は安いのですね。それならすぐにジェネリック医薬品を作ればいいのではないですか?

多額の費用をかけて先発医薬品を開発した医薬品会社は、新たな開発に投資するためその費用を回収しなければなりません。そのため一定期間、そのお薬を独占的に製造・販売する権利が与えられます。先発医薬品が発売されてすぐにジェネリック医薬品が発売されることはできません。

Q そういった理由があるのですね。でも、ジェネリック医薬品の値段が安いのはいいのですが少し不安があります。品質とか安全面が先発医薬品に劣るのではないですか?

ジェネリック医薬品は先発医薬品と同じ有効成分を同じ量含有し、効き目も安全性も同等な薬です。形や大きさ、味や香りなど異なる場合がありますが、有効成分の種類と量が同じであり、効き目に差はありません。また、先発医薬品が発売された後でも医薬品メーカーは様々な調査をしてデータの解析を行っています。ジェネリック医薬品は先発医薬品の特許期間が終了した後に発売されます。発売されるまでの間に先発医薬品が多くの患者さんに使用され、その効き目と安全性を十分に確認することができます。ジェネリック医薬品は先発医薬品と同等の効果があるといった試験もしているので、安心・安全に服用することができます。

Q 今後お薬をもらうときには、積極的にジェネリック医薬品を処方してもらいたいのですが、そのような場合はジェネリック医薬品を処方してもらえるのですか?

その際には医師や薬剤師にジェネリック医薬品を希望していることをお伝えください。また、「ジェネリック医薬品希望カード」や「ジェネリック医薬品希望シール」を利用するのも良いでしょう。ただし、すべての医薬品にジェネリック医薬品があるわけではないので医師や薬剤師にご相談ください。
また、2024年10月からジェネリック医薬品があるお薬で、先発医薬品の処方を希望される場合は、先発医薬品とジェネリック医薬品との価格の差1/4相当の料金を患者さまにご負担いただくことになりました。詳しい内容については厚生労働省ホームページを参照いただくか、かかりつけ薬局にご相談ください。

※当記事は「日本ジェネリック製薬協会(日本ジェネリック製薬協会|ジェネリック医薬品Q&A)」を参考に制作しました。

当記事は、令和6年10月4日のLuckyFM茨城放送「水戸赤十字病院の今日もおだいじに」をもとに制作しています。