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医療メディア水戸赤十字病院の今日もおだいじに

医療や病院にまつわる"ちょっと気になる耳寄り情報"を掲載していきます。
第21回は、鈴木 看護師に「訪問看護」についてインタビューしました。

第21回
訪問看護について
鈴木 看護師

Q 訪問介護と訪問看護の違いや、訪問看護の具体的な内容について教えてください。

訪問介護と訪問看護の大きな違いは、医療行為を行うかどうかです。訪問介護では、ホームヘルパーや介護福祉士などが利用者のご自宅を訪問し、日常生活の支援や介助を行います。
一方訪問看護は、看護師がご自宅に訪問し、療養上のお世話や医療行為を含めた日常生活の支援を行います。
訪問看護は、医師の指示に従い看護を提供しています。体温・血圧・脈拍測定や入浴介助、キズの手当、点滴・注射などの薬の投与、体内に挿入しているチューブや人工肛門、人工膀胱、人工呼吸器の管理やその指導、相談などが可能です。
実際に私たちは、患者さまのご自宅や施設に訪問し、病気の具合を診たり、怪我などを手当する訪問サービスを行っています。看護師が定期的に訪問して体調を確認し、異常がみられた場合は医師に報告を行い、医師から新たな指示を受けながら看護を提供しています。
定期的な訪問により患者さまからは「自宅で安心して過ごすことができます。」と言っていただくことも多いです。

Q どのような方が訪問看護を利用されているのでしょうか?

当院に通院されている患者さまや退院後に在宅療養をされる患者さまで 、継続的な処置や体調管理が必要な方などが利用されています。人工肛門を作られた方や体内にチューブを挿入したまま退院された方のご利用が多く、人工肛門やのチューブの管理などを一緒に行っています。ご自宅に戻ると常に医療者いる環境ではありません。生活する中で困りごとや心配ごとが出てくることもあります。安心して生活できるよう患者さまやご家族の思いに寄り添い、不安なことや分からないことなどには、一つひとつお答えし、ご相談にも対応しています。

Q 希望すれば誰でも訪問看護サービスを受けることができるのでしょうか?

誰でも訪問看護の対象になるわけではありません。当院に通院中の患者さまで、主治医が訪問看護を必要と認めた方が対象となります。病気や障害があり、ご自宅で療養されている方が主な対象です。

Q 実際に訪問看護を利用するにはどうしたらいいのでしょうか?

介護保険をご利用中の方は、担当のケアマネージャーにご相談ください。介護保険を利用していない方で水戸赤十字病院がかかりつけの方は、当院の患者支援センター内の訪問看護室へご相談ください。訪問看護に限らず、ご自宅で安心して過ごせる方法を一緒に考えてまいります。ご本人だけでなく、ご家族の介護相談や健康相談にも対応していますので、お気軽にお問い合わせください。

Q 街中で「訪問看護」というステッカーを付けている車を見かけますが、いろいろなところで訪問看護を行っているのでしょうか?

水戸市には多くの訪問看護ステーションがあります。訪問看護ステーションは病院とは独立した事業所として、地域の患者さまへ訪問看護を提供しています。水戸赤十字病院の場合は、病院の中に訪問看護室があり、そちらから患者さまのもとに訪問しています。

Q 水戸赤十字病院の訪問看護のメリットは何でしょうか?

2つあります。
一つ目は、当院の訪問看護室は当院のかかりつけ患者さまのみを対応しております。そのため、患者さまの状態を主治医や外来スタッフと密に共有しながらケアを行うことができます。
二つ目は、入院している時から患者さまと関わることができるので、主治医や病棟看護師との連携もスムーズです。そのため急な退院にも対応でき、ご自宅での継続した治療や処置を患者さまやご家族と一緒に検討することができます。

Q 訪問可能な範囲はどのあたりまででしょうか?

当院の場合は、病院から車で約30分で訪問できる距離です。水戸市、ひたちなか市、那珂市を中心に対応しております。多少遠くてもうかがう場合もありますが、病院からの移動に時間がかかってしまうと、実際に患者さまとかかわる時間を確保することが難しくなってしまうので、移動時間を30分程度とさせていただいております。

Q 最後に伝えたいことはありますか?

訪問看護などのサービスを上手に活用していただくことで、ご自宅でより安心してお過ごしいただけると思います。訪問看護サービスの利用に関するご相談は、どうぞお気軽に患者支援センター訪問看護室までお問合せください。

当記事は、令和7年3月7日のLuckyFM茨城放送「水戸赤十字病院の今日もおだいじに」をもとに制作しています。