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医療メディア水戸赤十字病院の今日もおだいじに

医療や病院にまつわる"ちょっと気になる耳寄り情報"を掲載していきます。
第12回は、古田 理学療法士に「腰痛」についてインタビューしました。

第12回 腰痛について
古田 理学療法士

Q 「腰痛」は、身近な症状でもあり、悩んでいる方も非常に多いのではないでしょうか。そんな腰痛のメカニズムや予防法について教えてください。

腰痛を訴える方は、日本人だけで約3,000万人と推定されています。腰痛の原因としては、「特異的腰痛」と「非特異的腰痛」の2つに分けられ、特異的腰痛は見える腰痛といわれ、レントゲンやMRI等の画像診断により骨の異常などが認められます。一方、非特異的腰痛は、見えない腰痛といわれ、画像診断では判別できない腰痛をいいます。腰痛を訴える方のうち、見える腰痛の割合は全体の15%、見えない腰痛は85%を占めています。つまり腰痛を訴える方のほとんどが見えない腰痛に悩まされているということになります。

Q 「見える腰痛」と「見えない腰痛」について、原因はどのようなものがありますか。

見える腰痛は原因が明確で、椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症などが挙げられます。痛みが治療によって改善がしやすいのが特徴です。見えない腰痛は、検査をしても原因が分からないことが多いため特定することができません。

Q 見えない腰痛は、検査をしても原因が分からないということですが、何か日常生活に原因があるのでしょうか。

見えない腰痛の多くは、姿勢の悪さや運動不足、肥満、長時間同じ姿勢でいること、ストレスなどが関係していることがあります。これらの要因により、椎間板や椎間関節、仙腸関節に負担がかかり痛みが生じている場合があります。

Q 椎間板、椎間関節、仙腸関節と痛みの関係について、教えていただけますか。

まず椎間板は、背骨と背骨の間にある円盤状の軟骨で、背骨に加わる衝撃を吸収するクッション材のような役割をしています。さまざまな要因によりクッション性能が低下すると損傷が起こり、痛みが出るようになります。
次に椎間関節は、背骨どうしを後ろ側でつないでいる関節で、左右合わせて48か所あります。椎間板がつぶれることによる二次障害により負荷が増し損傷しやすくなります。神経が多く存在しているため、傷つくと痛みが出現しやすいです。
そして仙腸関節は、骨盤の中で最も大きな骨である腸骨と仙骨をつなぐ縦に長い関節です。荷重により関節にズレが生じ、痛みが出るようになります。見えない腰痛は、大きくこの3つに刺激が加わり痛みが起こっています。

Q 見えない腰痛は、検査をしても原因が分からないということですが、何か日常生活に原因があるのでしょうか。

見えない腰痛の多くは、姿勢の悪さや運動不足、肥満、長時間同じ姿勢でいること、ストレスなどが関係していることがあります。これらの要因により、椎間板や椎間関節、仙腸関節に負担がかかり痛みが生じている場合があります。

Q 椎間板、椎間関節、仙腸関節と痛みの関係について、教えていただけますか。

まず椎間板は、背骨と背骨の間にある円盤状の軟骨で、背骨に加わる衝撃を吸収するクッション材のような役割をしています。さまざまな要因によりクッション性能が低下すると損傷が起こり、痛みが出るようになります。
次に椎間関節は、背骨どうしを後ろ側でつないでいる関節で、左右合わせて48か所あります。椎間板がつぶれることによる二次障害により負荷が増し損傷しやすくなります。神経が多く存在しているため、傷つくと痛みが出現しやすいです。
そして仙腸関節は、骨盤の中で最も大きな骨である腸骨と仙骨をつなぐ縦に長い関節です。荷重により関節にズレが生じ、痛みが出るようになります。見えない腰痛は、大きくこの3つに刺激が加わり痛みが起こっています。

Q 自分自身で痛みを特定することはできますか。

簡単なチェック法を紹介します。まず、椎間板に原因がある場合は、立った状態で足を閉じ、膝を伸ばして前かがみになった時に痛みが出る場合です。
次に椎間関節です。立った状態で両手を腰に当て、背中を後ろへ反った時の痛みや、反った状態で体幹をひねる動きを加えたときに痛みが出る場合は、椎間関節の可能性が高いです。
次に仙腸関節では、ワンフィンガーチェックという方法があります。ご自身で痛みの部分を人差し指で示していただき、その部分が仙腸関節周辺にある場合は、仙腸関節が原因である可能性が高いです。
そのほかの見えない腰痛の原因のほとんどは、筋肉が上手に使えていないことがあります。

Q 腰痛で悩まないために予防策があれば教えてください。

見えない腰痛の原因の多くは、筋肉を上手に使えていないことにあります。見えない腰痛に悩まない強い腰を作る方法として、ドローインを身につけることをお勧めします。ドローインは、簡単にできるエクササイズです。
まず仰向けに寝て、膝を立て足の裏を床につけた姿勢でリラックスします。呼吸は止めずに、ゆっくり息を吐きながらおなかをしっかりと凹ませます。最大までお腹を凹ませたら、そのままお腹に力を入れ、10秒間キープします。この時両手でお腹を触り、硬くなっていることを確認しましょう。1セット10回を目安にやってみましょう。ドローインは、誰でもできる体幹トレーニングの一種です。筋肉の最も深いところにある腹横筋を鍛えることができます。腹横筋は天然のコルセットの役割を果たしてくれるため、腰痛解消の効果が期待できます。ポッコリおなかにも効果的です。
仰向けで寝て行う方法をご紹介しましたが、ドローインは座った状態でも立った状態でも、さらには歩いていてもできるトレーニングです。普段の生活から意識して、行うことで簡単に取り組めます。
今回は、見えない腰痛についてお話ししましたが、症状がある場合には、無理せず医療機関を受診するようにしてください。

当記事は、令和6年12月27日のLuckyFM茨城放送「水戸赤十字病院の今日もおだいじに」をもとに制作しています。