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医療メディア水戸赤十字病院の今日もおだいじに

医療や病院にまつわる"ちょっと気になる耳寄り情報"を掲載していきます。
第9回は、西森 薬剤師に「花粉症」についてインタビューしました。

第9回 花粉症について
西森 薬剤師

Q 花粉症の時期になると、花粉症でお悩みの方が以前よりも増えている感じがしますが、どうですか?

花粉症の患者さまはこの約20年間で2倍以上に増えています。花粉症は、花粉を体の中から排除しようとする免疫反応ですが、その免疫反応が過剰になることで、日常生活に支障をきたすことがあります。個人差はありますが、数年から数十年にわたり花粉を浴び続けることで、体内の抗体の量が増え、くしゃみや鼻水、目のかゆみや涙目などの症状が出るようになります。

Q 花粉が多く飛ぶ時期は、花粉対策が必要とよく耳にしますが、具体的にはどうしたら良いですか?

花粉を避けるために、顔にフィットするマスクや眼鏡の着用はおすすめです。眼鏡やマスクについては、着用しない場合と比べて、花粉をおよそ70%減少させる効果があると認められています。近年では、飛散する花粉の量が増加していることや体質の変化により、発症するまでの期間が短くなり、小さなお子さんも花粉症にかかるようになりました。まだ花粉症の症状がない方も、花粉をできるだけ避けることで、将来的な発症を遅らせることが大切です。

Q いつ頃から花粉対策を始めるとよいでしょうか?

本格的に花粉が飛ぶ時期は、花粉の種類によって異なりますが、スギ花粉は、2月~4月頃に多く飛びます。花粉が飛び始める時期の1週間前までに花粉症のお薬を使い始めるといいと思います。シーズン前から早めにお薬を使い始めることで発症を遅らせたり、軽い症状にしたりすることが期待できます。

Q 花粉症の治療には、どんな治療方法があるのでしょうか?

花粉症の治療には、対症療法と免疫療法があります。今回は、対症療法についてお話をいたします。簡単にいいますと「早めの治療」というのが対症療法です。飲み薬、目薬、点鼻薬をそれぞれを組み合わせ、花粉による症状を抑えるための治療法です。

Q 花粉症のお薬で何か注意した方が良いことや使い方のポイントがあれば教えてください。

まずは飲み薬についてですが、内服することで全身に作用し、花粉症のアレルギー症状を和らげる効果があります。アレルギーのお薬は眠気などの副作用がありますが、眠気の出にくいお薬もあります。眠気が気になるときは主治医にご相談されると良いと思います。

Q 目薬についても教えてください。

目薬は目のかゆみなど目の症状がある場合に処方されます。使い方ですが、まずはお薬を使用する前によく手を洗いましょう。そして下まぶたを指で軽く引き下げ、少し上を見るように首を傾けて点眼します。容器の先が、まぶたやまつ毛、目に触れると、目を傷つけたり、薬液が汚れてしまう可能性があるので、点眼をするときは、容器の先がまぶたやまつ毛、目に触れないよう注意しましょう。目の周りにあふれた液は、清潔なガーゼやティッシュで軽くふき取って下さい。複数の点眼液を使用する場合は、先に点眼した目薬から5分以上間隔をあけるようにしましょう。

Q 点鼻薬についても改めて使い方を教えてください。

点鼻薬は、鼻づまりなどの鼻の症状がある場合に、鼻に噴霧する薬です。使い方は、まずは最初に鼻をかんで鼻通りを良くしましょう。霧状に噴霧する点鼻薬の場合は、鼻の中に噴霧したあと、薬を吸い込むようにして使ってください。使用後は、容器の先端をティッシュで拭いて清潔に保つようにしましょう。

当記事は、令和6年12月6日のLuckyFM茨城放送「水戸赤十字病院の今日もおだいじに」をもとに制作しています。