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外科大腸がんが心配な方へ

大腸がんが心配な方へ(水戸赤十字病院 外科からのお知らせ)

大腸癌は早期発見すれば、治せる病気です。当科では大腸の精査(大腸内視鏡または注腸検査)を行うことができます。大腸癌が心配でしたら、先ずは一度大腸の精査をお勧めします。お気軽に受診してください。

→ 「増えている大腸ガン 私は大丈夫って思っていませんか?」

近年、医療費の社会に対する負担増が叫ばれております。大腸癌に関しては、その理由として、高齢化により大腸癌患者数が増えていることと、高価な抗がん剤が開発・普及していることが挙げられます。

社会全体の医療費として大腸癌の治療にかかる費用は、大雑把に言いますと、進み具合により、十万円、百万円、一千万円になります。本人負担は保険等の状況で変わりますが、本人を含め社会全体として一人の癌患者当りそれだけ負担しています。

十万円 早期診断して、大腸内視鏡で切除できれば十万円で治ります。
百万円

もう少し進んでいると、手術が必要になります。でも手術で治れば百万円で治ったことになります。

ここまでで見つかれば、何といっても命が助かりますし、経済的負担も軽くて済みます。

一千万円

さらに進んで転移して手術では治らないということになりますと、極一部の例外を除いて、大腸癌で命を失うことになります。

大腸癌の抗がん剤治療は近年急速に進歩し、大腸癌が広がってしまってから、何年も生きられる人が多くなりました。使用する抗がん剤、特に分子標的薬は高価で、一回当たり数十万円かかる治療がガイドラインでも推奨され、普通に行われています。高額医療になりますから、患者さんご本人の負担はある程度抑えられますが、社会全体としてはそれだけ負担することになります。

抗がん剤治療のおかげで、数千万円かければ、副作用と戦うこと何年間かを手に入れることができます。しかし、残念なことに殆どの場合、結局大腸癌で命を落とすことになります。

社会全体として大腸癌に対する医療費を下げるために、最も有効な手段は早期発見です。予防の方法は、食物繊維を多く摂ることや、消炎鎮痛剤を飲むことなど、いろいろ言われていますが、有効性は限られています。

癌を治すためには早期診断・早期治療につきます。それだけ大切で有効な早期発見ですが、残念なことに便潜血の受診率は大体2割程度です。さらに陽性となっても、大腸の内視鏡かレントゲンの検査を受けるとは限らないのが現状です。

そのために当院ができることは、大腸精査をしようと思い立った人の気持ちが冷めない内に検査ができる体制作りだと考えました。大腸の精査をしたことのない方、前回の精査から3年以上経っている方は早めに精査されるようお勧めします。
(下部消化管外科部長:捨田利外茂夫)