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診療科・部門

泌尿器科尿路結石

尿路結石症(腎結石・尿管結石・膀胱結石)

腎・尿管・膀胱の各部位における結石の状況に応じて、体外衝撃波結石破砕術(ESWL)経尿道的砕石術(TUL:レーザーまたはリソクラストによる砕石)を行います。

特に上部尿路では、従来の硬性鏡だけでなく細径軟性鏡での砕石(f-TUL)や経皮的腎砕石(PNL)経皮的経尿道的同時砕石術(ECIRS)を行うことができ、難治性といわれる大きな腎結石や複数個の結石に対して効果を上げています。

体外衝撃波結石破砕術(ESWL)

体外から衝撃波を結石に当て細かく壊す治療です。この治療のメリットは、麻酔をすることなく鎮痛剤を使用して治療することが可能な点と、1泊入院での治療が可能な点です。10mm前後の腎・尿管結石が治療の対象となります。15mmを越えるような大きな結石や硬い結石は、複数回の治療が必要な場合があります。

当院では令和4(2022)年3月に最新の装置を導入しました。この装置は、衝撃波のパワーが増加し、結石に焦点を合わせる操作性が改善されており早く効果的な治療が期待できます。ESWLの治療経験が豊富な医師が担当します。

経尿道的砕石術

尿管の中に細い内視鏡を入れ、結石に直接ホルミウムレーザーを当てて細かく壊して、結石の破片を体外に取り除く手術です。この治療の特徴は、麻酔と入院が必要ですが、体外衝撃波破砕術(ESWL)が苦手な大きな結石や硬い結石、多発する結石に対しても有効であり確実な治療です。

また、軟らかい軟性尿管鏡を使用し結石までアクセスすることができるため、結石の位置がどこであっても治療が可能です。破片を体外に取り出すことで大きな破片は体内に残りません。手術時間は平均40~60分前後、入院期間は通常5-7日間前後です。当院は2台のホルミウムレーザー装置と複数の内視鏡を常備し、迅速な治療に対応しています。体外衝撃波砕石術よりも高度な技術と治療設備が必要ですが、当院は複数台のホルミウムレーザー装置があり迅速な治療が行えるため、茨城県内でも有数の手術件数と実績のある施設です。

経皮的腎砕石(PNL)や経皮的経尿道的同時砕石術(ECIRS)

経皮的腎砕石術(PNL)は、背中から腎臓に内視鏡の通り道を作成し、直接、腎臓の結石を壊して取り除く手術です。この治療の特徴は、他の上記の治療法(ESWL、TUL)では治療が困難な大きな腎結石を短時間で治療することが可能な点です。

経皮的経尿道的同時砕石術(ECIRS)は、PNLとTULを同時に行うことで大きな結石を破砕する方法です。この方法のメリットはPNL、TULそれぞれ単独では治療が困難な時に、2つの治療を組み合わせて全ての結石を治療することを可能にする点です。

術者は2人で行うことが多いです。PNL、TULのそれぞれに熟練した術者が必要となり県内で実施している施設は非常に限られています。 結石を取り除いたらPNLでは腎瘻カテーテルを入れて終了します。ECIRSでは腎瘻カテーテルと尿管ステントを留置します。手術時間は1-2時間前後、入院期間は通常7-10日間前後です。当院ではレーザー装置の他に、大きな結石を早く壊し除去が可能な空気衝撃波砕石機を常備しており、他の病院で治療困難な結石(例:大きなサンゴ状結石、寝たきりなどの合併症のある患者さんなど)に対するPNL、ECIRS手術を各地から依頼されています。