当院の特徴3災害救護活動
当院は、1997年に茨城県の災害拠点病院に指定されました。災害拠点病院は、災害時に被災者を受け入れ、地域の医療機関を支援する機能を持つ病院です。
県内で災害が発生したときには、被災者の受け入れや日赤常備救護班を派遣できる体制を整えています。また48時間以内に救命活動を行う災害医療派遣チームDMATも備えています。平時から救護訓練や研修などを実施し、救護活動に必要な技術と迅速な行動力の育成に努めています。
2011年3月11日の東日本大震災では、発災後から外来・入院多くの患者さんを受け入れ、県内の避難所や東北各県に対して救護班や病院支援要員を派遣しました。さらに2024年1月の能登半島地震をはじめ、2016年4月の熊本地震や、台風被害にも救護班を派遣するなど、国内の被災地支援に尽力しています。 また、国際的な緊急時の救援や予防活動、医療の技術・教育支援なども行っており、アフリカのウガンダに医師1名を派遣した実績もあります。
これからも、地域の災害医療体制の中核的存在として役割を果たしていきます。
災害拠点病院として
災害拠点病院
災害拠点病院とは、大規模災害時において被災地内での迅速な医療活動の拠点になるもので、茨城県では18病院が指定されています。
当院は平成9年に茨城県から指定を受けました。そのため、病院機能を維持するために必要な全ての施設が耐震構造であり、ヘリポートや災害医療の研修に必要な研修室を整備しており、また、災害用医薬品や食料品を備蓄しています。
日赤常備救護班
日本赤十字社法では、日本赤十字社の目的を達成するために行うべき業務の一つとして、赤十字に関する諸条約に基づく業務とともに、
(第27条)
「非常災害時または伝染病流行時において、傷病、その他災やくを受けた者の救護」と定め、定款には、これら業務を遂行するための事業として、
(第48条)
「救護員を確保し、その養成訓練を行い、救護材料を準備するほか、救護に関する組織及び装備を整備すること」と定めています。
当院では、日赤常備救護班6班を編成し派遣体制を確立しています。
班長 | 医師1名 |
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班員 | 看護師長1名、看護師2名、主事2名、薬剤師1名 |
DMAT
DMATとは、Disaster Medical Assistance Teamの略で、「災害派遣医療チーム」と呼びます。
DMATは、医師、看護師、業務調整員(医師、看護師以外の医療職及び事務職員)で構成され、大規模災害や多傷病者が発生した事故などの現場に、急性期(おおむね48時間以内)に活動できる機動性を持った、専門的な訓練を受けた医療チームです。
DMATが発足した経緯は、平成7年に発生した阪神・淡路大震災で初期医療の遅れから、平時の救急医療レベルの医療が提供されていれば救命できたと考えられる「避けられた災害死」が500名存在したと推定され、災害医療について多くの課題が浮き彫りとなり、この教訓を生かし、各行政機関、消防、警察、自衛隊と連携しながら救護活動を並行し、災害現場で医療を行う必要性が認識されるようになったからです。
当院では現在13名(医師3名、看護師7名、業務調整員3名)の隊員がおり、2チームを編成しています。
主な活動は、病院支援や広域医療搬送、現場活動などです。
主な救護訓練・研修会
当院では、茨城県の災害拠点病院としての役割を果たすため、また、救護活動に必要な技術と迅速な行動力を養うため、日本赤十字社や県及び関係機関が主催する様々な救護訓練や研修会に参加しています。
- 日赤常備救護班等災害救護訓練
- 日本赤十字社本社・第二ブロック支部災害救護訓練
- 関東ブロックDMAT訓練
- こころのケア研修会
- 全国赤十字救護班研修会 等
当院救護班の派遣実績
平成16年10月 | 新潟県中越地震/4班派遣 |
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平成19年7月 | 新潟県中越沖地震/1班派遣 |
平成20年6月 | 岩手・宮城内陸地震/1班派遣 |
平成20年7月 | 岩手県沿岸北部地震/1班派遣 |
平成23年3月 | 東日本大震災/8班派遣 |
平成27年9月 | 関東・東北豪雨/3班派遣 |
平成28年4月 | 熊本地震/2班派遣 |
平成30年9月 | 北海道胆振東部地震/1班派遣 |
令和元年10月 | 台風19号/2班派遣・こころのケア班派遣 |
令和6年1~3月 | 能登半島地震/2班派遣・日赤災害医療コーディネートチーム2班派遣 |
国際活動の派遣実績
平成24年11月~平成25年3月
ウガンダ北部地区病院支援事業/医師1名派遣
第二消化器外科部長 捨田利 外茂夫